侘びとは何か?! 定家侘び、利休侘び、現象侘び。
ごきげんよろしゅうございます。
3つの侘び。
僕が思い描こうとしている侘びとは、大きく3つあります。
① 歌人 藤原定家の侘び
秋が暮れ、真っ赤に染め上げている風景が、やがて落葉し枯れていくさまに湧いてくる、
受動的で哀愁感が漂う儚い侘び。
「 見渡せば 花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮れ 」
これは新古今和歌集に入っている定家の歌。
定家侘びの真髄です。
咲き誇る紅葉の美しさはもちろんですが、
散りゆく儚さにも美しさを感じとることが出来るだろうとした、
定家の肯定感ある美意識。
② 茶人 千利休の侘び
真っ白い雪景色の何もないさま、
それは利休の言う道具はあり合わせでよいとする侘びに繋がる。
雪の下からは、新しい芽が出始めているだろうと想う、
能動的で高揚感のある創造的な侘び。
春はもうすぐそこまで来ている。
この季節、花が咲くことを想い描けば、
何も持ち合わせてなくとも精神が豊かになれるという。
冬至から春へ向かう時期、利休侘びのこころを垣間見ることが出来ます。
③ 現象的侘び
何か現象が続くとそれは侘びてくる。
手入れしてあることが極めて重要。
例えば漆の器があるとします。
その器が使っているうちに漆が剥げてきます。
新品ももちろん美しいですが、剥げてきた具合いに風合いを感じます。
しかし手入れしてあることが重要であり美しくみえる秘訣である。
またよく家で使われる木製のダイニングテーブルも同じことが言えますね。
侘びは日常の中に沢山あります。
このように一つ一つ大切に手入れして使い、時間に耐えたものが現象侘びとなります。
まとめ
この他にも侘びの定義は多岐に渡るとおもいます。
振り返れば足利義政公の銀閣寺、慈照寺の東山文化まで遡れます。
しかしこのように過去の美意識は、我々にとってかえって新しい感覚を与えると考えています。
直感的に感じる美意識は不思議です。
時には自分にとって、
未来よりも新しいことがあったのだ。